| 「1,500m」の掲載原稿です 投稿者:サイトの亭主 投稿日:2009/05/13(Wed) 09:26 No.200 | |
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このホームページの舞台になっている山墅は横岳の尾根中腹にある、八ケ岳高原海の口自然郷というところにあります。ここでは「標高 1,500m」という広報の小冊子を季節ごとに出していて、春の号に原稿を書きました。「ロッジに貰いに行ったが余分に用意していないそうです」ということなので拙文を以下に転載します。
山上のシルクロード Y-632 宮崎 健
八ヶ岳のカッコウの初啼きは5月20日です。この日付に3度も聞いたので結論づけました。ご近所のバードウォッチャーの方からも「それでいいでしょう」とお墨付きを頂きました。
昨年9月には8年に一度のヤスデの大発生を見ました。行列をつくって這い回っているのを3歳と1歳の孫娘が腕に這わせて遊びに興じていました。挙句クルマに乗せて東京まで連れて帰るといいます。母親が震え上がって叱ろうとするので「この子達は一生虫が嫌いになるよ」と注意しました。
数年前に通りかかった方から「息子がヤスデの研究をしています。毒はなく無害ですが以前小海線の線路をふさいでから汽車ヤスデといわれてます」と8年ごとの大発生の理由と習性を教えていただいていました。孫たちはきっと「虫愛ずる姫君」のまま大きくなってくれるでしょう。
長年船医をされて陸に上がってからは八ヶ岳で過ごされていたご夫婦とお茶を一緒にしました。ヨーロッパの港町で仕入れた知識だそうですが、さらさらとタンポポワインのレシピを英語で書き残されました。さっぱりしたおいしいワインは今なお棚に健在です。
アメリカから持ち帰ったバードフィーダーに家内がテネシー州で買いました、と添え書きしたのをみて立ち止まった方と「私はナッシュビルのバンダービルト大学にいました」と立ち話がはずみました。翌年、創立者のバンダービルドの館を訪れました。ロックフェラーと並んで全米で5本の指に入る途方もない鉄道王は別荘までの専用線路を敷設しました。そのワインセラーで食事してアメリカ史の一端を知ることが出来ました。
「ヤマネに会いたい」と自分のホームページ「八ヶ岳の東から」に書いたところ、美鈴池近くの方から「今米びつの下に押し込めましたよ。早く来てください」と電話。念願の対面をしました。その直後、音楽堂の前にいる従妹夫婦がネズミかしらと紙袋に入れて我が山墅に持参したのはヤマネでした。先日見たばかりなのですぐわかりましたが、その夜一家5匹が台所の裏に逃げこみました。
餓死されたら困ると、清泉寮に付設の「やまねミュージアム」に相談したら湊秋作館長がトラップを持って駆けつけてくれました。「イギリスのヤマネは木の枝の上を歩きますが、日本のヤマネは枝の下をぶら下がりながら走ります。目下、この違いが東西の専門家の最大の研究テーマです」。ともに酒好きだったので夜半まで不思議な習性をうかがいました。こんな面白い話を独り占めするのはもったいない、自然郷の人たちに聞かせたいと思ったことでした。
ログハウスを建てて22年になります。私は「八ヶ岳シルクロード」と呼んでいますが、通りがかる方々からお話を伺うだけでソローの「森の生活」を読むように、八ヶ岳の楽しみが深まるばかりです。 (次回は谷口様です)
◇ ◇ ◇ 「次回は谷口様」というのは私が推薦した方で、谷口千吉夫人、谷口薫、つまり八千草薫さんです。こちらにご期待ください。
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